タテとヨコ
いやー、知らない間にこんな事になってたんですねぇ。何となくそんな感じはしてましたが、うっかりしてました!
何がってタテとヨコの話です。
先週から、いろいろな企業のご担当者さまと打ち合わせをさせていただいてます。映像制作にもさまざまな目的、スタイルがありますが、その中でみなさん口を揃えるのが、『縦型』『ショート』の映像を作りたいがどうしたらいいか?と言うご相談。
そりゃそうですよね。かつてはテレビを家族で囲む…という形で映像を見ていたのが、今や老いも若いもこんな感じですから。

40代、テレビ(ヨコ)育ちの僕にとって縦型動画の制作は門外漢。『こりゃあ勉強が必要だぞ』と思って、縦型動画のヒットメーカーの記事や映像で、『視聴者に見てもらうための法則』をチェックし始めたんです。中でも面白かったのが縦型ショートドラマでバズを重ねる『ごっこ倶楽部』プロデューサーさんの講義なんですが…
★ワンカットは長くても1.5秒以内
★BGMは途切れさせない。なんなら2分の映像でも4〜5曲次々と変える
★三脚は95%使わない。ある程度手ブレがある映像の方が視聴者が離れない。…etc
これ、僕らが教えてもらって映像作りの常識からかけ離れてます。ワンカット1.5秒なんて編集したら、何が映ったのかわからないし、視聴者が何かを感じるすき間がない…。でも、これが10代20代の視聴者の「目と手と耳を止める」「途中で離脱させない」ために、500本ドラマを作って導き出した法則なんだそうです。
ぶっちゃけ最初は、「えぇ〜、こんな編集どうなの?」と思いました。同時に「この光景知ってんなあ…」とも思いました。
僕がテレビ業界に入ったのは今から25年前くらいのこと。当時、映画業界がシュリンクしていて、撮影所出身のカメラマンさんやら照明さんやらが次々とテレビ業界に流れてきていた時期でした。その「元映画屋」さんたちが口々に「テレビの編集はなってねえ」とか「ビデオカメラじゃ映像に情緒が宿らない」とか、グチっていたんです。
僕は映画にはそれほど思い入れがなかったこともあり、「いや、そんなん知らんし、テレビなんだから照明とか絵作りにそこまで時間かけるより、ライブ感ある面白い映像撮ろうよ」なーんて思ってました。
そう、時代は巡る。今度は僕らが古い価値観の側に立たされているんです。
もちろん、これまで培ってきた技術やノウハウは無駄ではないとは思っていますが、縦型動画はじめ積極的に新しい映像スタイルにチャレンジしていきたい、ヨコもタテもやります!